DRBFM習得研修

設計品質不具合の未然防止切り札としての「DRBFM」 (演習付)

【対象者】
 開発設計・生産技術・品質保証・製造部門の中堅技術者

【概要】
製品やシステムの信頼性・安全性を解析・評価する技法として、FMEA・FTAがあります。しかし、設計FMEAをしていても、不具合が開発段階で発見できず市場に流出してしまうことがあります。特に、設計プロセスにおいて十分な知見を注ぐことができないことに起因する問題を未然防止するため、どのようにしていけばよいのでしょうか。
その解決の切り札がトヨタ自動車での取り組みから生まれた「DRBFM」(Design Review based on Failure Mode)です。
本研修では、DRBFMの考え方と詳細な手法、実践するうえのキーポイントに触れながら、演習を通して実務に活かせる知識を身につけます。
(本講座は、メカ・機械系向け、電子系向けの2講座があります。)

【目次】

◇メカ・機械系向け
1.設計FMEAの課題
 (1)本来のねらい
 (2)それでも不具合が起こる
  なぜ不具合が開発段階で発見できず市場に流出したのか?

2.FMEAの改善
 (1)設計問題の現状
 (2)FTAとFMEAの特徴比較
 (3)設計FMEAの取り組み
 (4)設計FMEAの効果

3.設計DRBFMの実施
 (1)目的
 (2)適用範囲
 (3)実施要領
  ・検討メンバー
  ・実施時期
  ・使用帳票
  ・運用手順

4.設計DRBFMの作成手順
 (1)作成フロー
 (2)作成のポイント
  ・事前準備
  ・Step1 機能分析
  ・Step2 懸念点抽出
  ・Step3 設計の考え方と処置

5.検討会(DR)の実施

6.結果の活用
 (1)結果をデータベースへ
 (2)結果を後工程へ
 (3)その他

7.まとめ

◇電子系向け
Ⅰ.講義「未然防止の手段としてのDRBFM」
  ・  未然防止とは及びいかに問題を未然に防ぐのか
  ・  DRBFM早分かり
Ⅱ. DRBFMの解説と演習
  (5.から9.で簡単な電子デバイスを教材とした演習を行いながら実務の説明を行います)
1. 未然防止の必要性
  ・  リスクを起点に効果的・効率的に目的・目標達成を図るアプローチ(Risk-based thinking)が求められている
2. DRBFMの考え方、概要、有益性
  ・  変えない部分の設計(キャリーオーバー)とDRBFMの二本立て(Dual System)
  ・  開発期間の合理的短縮と設計品質の向上の両立
3. DRBFMプロジェクトを完結するためのステップ
  ・  DRBFMのプロセスロードマップ
  ・  DRBFMシステムの統合
4. DRBFMの実施計画
  ・  DRBFMの詳細プロセス
  ・  FMEAの5ステップアプローチ
5. 準備
6. 機能分析、変更点
  ・  構造分析
  ・  機能分析(設計の中身を見える化する)
  ・  変更・変化した部品の機能を集約
7. 心配点、原因、影響
  ・  故障分析(故障モードの検討、故障メカニズムの検討)
  ・  製品への影響・厳しさの検討
  ・  専門家が参画したディスカッション
8. 設計処置
  ・  Preventiveな設計処置とdetectiveな設計検証の二元系で行う
  ・  専門家が参画したディスカッション
9. 推奨処置
  ・  対策の実施と効果の確認
  ・  チームによる未然防止の誓い
10. DRBFMを成功させるための勘所
  ・  DRBFMの出来栄えチェック
  ・  英知を集め、協力して問題解決に導く

【申し込み】
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研修テーマ 車載製品における設計品質不具合の未然防止切り札としてのDRBFM (演習付)
講師の所属・役職・氏名 ㈱ワールドテック 技術部長 山田 卓
研修の狙い 新製品実現プロジェクトの中で使われる品質不具合の再発防止や未然防止の代表的な管理ツールとしてFMEAがあげられる。しかし、FMEAの作成には多くの工数を要するが未然防止には期待に見合った効果は出ないとの現実があった。

特に、設計プロセスにおいて十分な知見を注ぐことができず設計プロセスの完結が困難な領域に起因する問題を未然防止するためには問題発見と問題解決を必要十分な状態まで引き上げることが重要である。

このような設計プロセスの良品条件が不足している新規部分・変更部分・変化部分に対して効果的な手段とするために工夫された方法であるDRBFMについて学習し、DRBFMをコアにしたチームの総智・総力を注いだ取組みが設計不備を未然防止するための‘有効な手段’であることを理解していただく。そしてDRBFMの詳細な手法や勘所を詳説と演習を通して体得頂く。
研修目次 Ⅰ.講義 「未然防止の手段としてのDRBFM」(プロジェクタのみで30分程度)
― 未然防止とは、及び未然防止におけるDRBFMの役割

Ⅱ.DRBFM手法詳説と演習 (以下、Ⅱ, Ⅲ配布テキストあり)
1.新製品実現プロジェクトにおける設計プロセスの改善の考え方
-十分な知見を注ぐことができず設計プロセスの完結が困難な領域に対する取り組み方
-問題発見と問題解決を必要十分なレベルに上げるための取り組み方
-DRBFMとFMEA及びFTAとの比較
2.設計FMEAの課題
-帳票を単に埋めるだけでは効果が期待できない理由
3.設計DRBFMを詳説と演習で習得する(1)DRBFMの対象
(2)DRBFM実施前に確認すべきこと
-実施メンバー
-実施時期
-使用帳票
(3)詳細理解-身近な製品を取り上げ、解説と演習を組み合わせる
①詳細実施手順
②実施手順ごとの詳説と演習
-事前準備
・ポイント
-抜け防止シート
-変更点・変化点表
-機能展開から部品と機能の関係を明らかにする
・機能展開
・ポイント
-機能の種類
-機能&変化点の関係図
-懸念点(故障モードと故障原因)明らかにする
・ポイント
-抜け防止キーワード集
-影響度を明らかにする
・ポイント
-影響度の判定基準の考え方と例
-ディスカッション(DR)の実施
-設計の考え方と処置
・ポイント
-発生度、検出度、重要度などの規準の考え方と例
-ディスカッション(DR)の実施
(4)DRBFMにおけるディスカッション(DR)とは
①狙い
②実施タイミング
③事前準備
④実施で気をつける
⑤DRBFMの結果の水平展開(横展開)

Ⅲ.DRBFMの勘所まとめ